第24回鳥人間コンテストレポート
7月28日(金)

4:00 あたりが暗いうちに集合。前日に積み込んでおいた機体を載せたトラックや乗用車に分譲して琵琶湖を目ざす。

8:00  「1999年優勝チーム 大阪府立大学・堺・風車の会」とプラカードが立っている駐機場に到着。荷物を運び込み、テントを設営。さらに今年の機体“PHOENIX”を搬入する。ここが明日のフライトまで、大阪府立大学・堺・風車の会の基地だ。

18:00 夕暮れも近づくころ、恒例の前夜祭バーキューを開催。にわか雨の降る中、遠方からはるばるお越しいただいた協力者のみなさまと学生メンバーが総勢32名で会は賑やかに進んだ。雨も上がって、夕暮れの琵琶湖湖畔で仲間や協力者の方々の笑顔とともに味わうバーベキューはまた格別。パイロットがフライト時に着るウェアへの寄せ書きも集まる。

20:00 前夜祭のバーキューの設備を片付けて、メンバーは機体の最後の仕上げに取りかかる。 宿舎に戻り、明日に備えて休むパイロット。主翼に張ったフィルムにアイロンを当てる者(写真)。プロペラに磨きをかける者。フェアリング(コクピット覆い)の仕上げに余念がない者。プラットホームで最後まで機体を預かるクルーのミーティング。岸壁からプラットホームへ、そしてパイロットへエールを送りつづける応援団の練習。 それぞれのメンバーが、それぞれの役割を果たすべく、琵琶湖湖畔に晧晧と明かりをともして準備を続けた。

7月29日(土)

5:00 パイロット到着を待ち、朝のミーティングが始まる。「この日のためにやってきた。各自、自分に出来ることを見つけ、確実にこなし、思い切り鳥コンを楽しみましょう」「それでは、機体を組み始めましょう!」リーダーの言葉がメンバーを動かす。
 
8:30 全体ミーティング。フライトへの決意も新たに円陣を組む。「飛ぶぞー!」「おー!!」全員で気合いを込めて、機体はプラットホームへ。応援団は岸壁へとむかった。

ついにプラットホームの頂上へ。パイロットと機体は最後の準備に取りかかる。この間、プラットホームは戦場だ。指示を出す声、それにこたえる声が飛び交う。プロペラカバーをはずす。操縦系統のチェック。尾翼のニュートラル位置確認。風向き、風速を確認。飛び立つ向きを決定。そしてパイロット搭乗。フライトを助けるメンバー3名を除いて他のメンバーがプラットホーム後方に下がる。審判員の掲げる赤旗が白旗に変わる。辺りが静寂に包まれるような緊張の一瞬。「3、2、1…スタート」

プラットホームから機体が飛び出した。駆け寄るメンバー。機体は高度を下げ、プラットホームから翼の上面が見える状態で加速。徐々に高度を上げながら、華麗に右へバンクを付けて旋回していった。「よっしゃー!」「いけっ! 嘉藤!」 プラットホーム上で抱き合うメンバー。感動の涙が頬を伝う。握手し合い、肩を叩き合い、喜びを分かち合う。ここからは、パイロットと機体を信じるだけだ。

どれくらいの時間が経っただろう。"PHOENIX"はついに着水。結果は…7945,85m。堂々の優勝。ボートで還って来たパイロットを迎えて,メンバーは琵琶湖へ飛び込んだ。 何者にも変えがたい喜びが、ここにある。それは輝かしい成績だけではない。メンバー、協力者のみなさまとのつながりが生み出す何かだ。

大阪府立大学・堺・風車の会
パイロット 嘉藤伸一
記録 7945.85m(歴代5位)
総合優勝

このような成績を残すことが出来ましたのも、皆様のおかげでございます。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

 チームを代表して
リーダー 大倉彰浩
 皆さん、我々「大阪府立大学・堺・風車の会」を応援していただきどうもありがとうございます。今年の「優勝」も、皆様の御理解・御協力あってのものと思います。
 今年の鳥コンもいろんな事を学ばせていただきました。チームワークの重要性・皆をまとめることの難しさ・自分の思いを人に伝えることの難しさ・個々の能力を引き出すことの難しさ・等々を・・・
 しかし、学生代表として皆に常に言ってきた事があります。それは「皆が参加し、皆が楽しめるクラブを作ろう」ということです。勝つチームの条件は、皆の意思統一ができ・完成度が高い機体を作れるチームと考えました。ですから、皆がクラブへの参加意義を感じ、楽しさを感じてくれるのが第一歩だったわけです。そして、最終的には、皆の経験・知恵が活かされ、「自分は如何にしたらクラブの為・皆の為に力になれるだろうと」と考えてもらいたいと思っていました。
 結果として、皆のベクトルをほぼ同じ方向に向けることができたのでしょうか?「優勝・二連覇」という結果が付いてきたということは、かなり理想に近いクラブができあがったのでしょうか?
 それは、今回の「優勝」をつかめたのも、全メンバーが一致団結し、どんな困難も乗り越えるべく全力で頑張れた結果だと思います。どんな時も皆のことを考えながら鳥コンを目指して頑張ってきました。ほんと、御疲れさまでした。
しかし、僕の中では、もっといいチームが作れるメンバーが集まっていると思います。皆 もっともっと大きな可能性を秘めています。今後は更に上を目指し、「いいチーム・いい機体」が作れるよう頑張っていきます。また、鳥コン会場で改めて感じた、この団体を心から愛して下さっている方々の多さ。今後も皆さんを常に魅了できる活動・精神を忘れないように頑張っていきます。これからも御指導・御支援よろしくお願いします。

パイロット 嘉藤伸一
 3月末にチーム体制が変わってパイロットとなり4ヶ月。初めは戸惑いもありました。しかし、メンバー全員の協力、そして協力者の皆様の暖かいご支援とご理解のおかげで、本当に幸せで充実した時間を送ることが出来ました。そのため、大会に挑むにあたり、記録や結果はともかく、大阪府立大学・堺・風車の会に関わってくださった皆さんに喜んでもらいたい、というのが私の気持ちでした。
 当日の朝は、当初の予定より2時間も早いフライトとなり相当な緊張と焦りがありましたが、プラットフォームの上に上り機体に乗り込んだ後は、メンバーの暖かい励ましの言葉と、応援席から聞こえてくる大声援のおかげで、自分でも驚くぐらい落ち着くことが出来ました。そして、テイクオフ。実際に聞こえたのか幻聴なのかわかりませんが、そのとき私には大歓声が聞こえました。一人で飛んでいる気は全くしませんでした。あたかもチーム全員でペダルをこいでいるような一体感。もう勝ち負けとか記録なんてどうでも良くて、ただこの幸せな時間を1秒でも長く、という気持ちでした。時間が経つにつれ体のほうは本当にしんどくなってきましたが、気持ちのほうは最後まで最高でした。
 鳥人間コンテストを終えて、今、あの感動を一人でも多くの人に味わってもらいたい、そしてこれだけの幸せを与えてくれたチームに少しでも恩返しがしたいという気持ちでいっぱいです。前人未到の鳥人間コンテスト3年連続総合優勝、そして、大阪府立大学・堺・風車の会が世界に誇れるようなよりすばらしいクラブになるよう、日々努力していきます。皆様、これからも、よりいっそうのご支援、ご助力をお願いします。本当にありがとうございました。

 

 風車の会にとっての第24回大会とは
皆様、今年度も我々「大阪府立大学・堺・風車の会」を御理解・御協力していただき心よりお礼申し上げます。学生メンバーも現在では32名になり、多くの分野の学生が参加しています。また、O.B.も第一期生4名を輩出し、どんどん多くの人間の関わりが多くなっています。しかし、今年の機体へ込められた思いは、今までクラブに参加した者すべての強い思いが込められた機体でした。ですから、あの条件下、「優勝」という結果が得られたのは、やはり「皆の思いがどのチームよりも強かった・・・」から、と言えるのかもしれません。学生達の今年の機体 「PHOENIX」に込められた思いは以下の3点です。

〇 3年前の台風、全面中止に対するリベンジ・・・
3年前の第21回鳥人間コンテストは台風9号の直撃で、大会初の全面中止に・・・その際の代表の学年も今年が学生最後の鳥コンに・・・また、皆人間味に溢れる人ばかりでクラブの為・皆の為に頑張ってくれる・尽くしてくれる・・・ですから、最後の最後で全員一致で今回のパイロットを第21回大会のパイロットの嘉藤さんに託しました。そして今年、とうとう3年越しで琵琶湖でのフライトが実現しました。

〇 2年前の小型・高速機のコンセプトの継承・・・
2年前の「ButcherBird Revolution」は全員で決めた「小型・高速機」をコンセプトに掲げた機体でしたが、技術力の不足・時間の不足で自分達の思いを妥協するという結果に終わりました。そのコンセプトを継承し、技術面でも克服し、皆が夢見た「小型・高速機」を実現したのが、今年の機体でした。ですから、2年前のリベンジ。O.B.も含めた当時のメンバーの思いはひとしおです。

〇 新しいクラブ体制への橋渡し・・・
メンバーも増え、どんどん大きくなる我がクラブも、近年は運営面で問題が多々生じてくるようになりました。そこで考えたのが「皆で作り上げるクラブ」すなわち、皆が参加意義を感じ、皆の思いが込められた機体・クラブを作り上げ、皆が楽しめるクラブを作ろうという考えでした。そういった全員体制への橋渡しとして、今年の3月より体制変更を行ってきました。ですから、これからのWindMill Clubの基盤を作り上げるという思いもありました。

以上の3点が主なものですが、他にも沢山あります。しかし、皆がそれぞれの思いを抱いて、皆の為、クラブの為に一生懸命頑張れたから、「優勝」という結果が得られたのだと思います。これからも、常に新しい目標を掲げ、よりよいクラブ・物作りを目指し、皆一致団結して頑張っていけるよう日々頑張っていきます。今後もご支援・御協力よろしくお願いします。常に魅力ある団体を目指し頑張っていきます。

 飛行経路について

 今年の大会では、GPSを用いて飛行経路を記録しましたのでそのデータをご紹介します。午前8時50分ごろにプラットフォームかを飛び立った[PHOENIX]は10mの高度を保ちながら右に旋回、彦根プリンスホテルの横をかすめて、しばらくは湖岸沿いを飛行。やがて、風に流される形で、徐々に左に飛行経路を変更。10分過ぎからは、横風の影響から高度を上げたり下げたりする状況を数回繰り返し、最後は風にあおられる形で着水。


飛行時間 17.6分
経路距離 9.5km
平均対地速度 32.38km/h(8.99m/s)

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