鳥コンを終えて・・・

 98年度チームリーダー 国貞 直明

 第21回大会が台風の接近にともない中止になってから、 私たちの代の活動がスタートしたわけですが、 あの頃から今日第22回大会を終えたこの日までの間に、 今振り返れば本当にいろいろなことがありました。

 今思えばいろいろな意味でめちゃめちゃ環境の良かった石津の工房から、 電気もガスもないちっぽけなプレハブ小屋に移転し、舞洲スポーツアイランドでの鳳の機体展示、 ヘリコプターの体験操縦をやったり、B.B.Revoの図面作成に追われたり、秋のカヌー合宿、 真冬の寒い中でのテストフライト、冬のスキー合宿、墓掃除、仮装自転車コンテストでの48時間耐久徹夜、 社会情勢から隔離された白浜空港跡地での3連野宿生活……。今となっては本当にいい思い出となっています。

桟橋 第22回鳥人間コンテストが終わり、 あらためて今年私たちのクラブに寄付や協力していただいた方のリストを拝見して、 本当に、本当に、涙の出る思いです。 こんなに協力していただいているのに皆さんの期待に答えることができなかった……。 変な言い方かも知れませんが、なぜこんなにも私たちのような者に協力してくださるのか。 その答えはそれぞれの協力者の方々にそれぞれの考えがあって一概には言えないとは思いますが、 ただ今回の大会が終わっていろいろな場所に挨拶回りをして感じたことですが、 やはり私たちのがんばっている姿に期待してくれていたのではないのでしょうか。

 数字の上では1495mという結果に終わってしまいましたが、 この1年間私たちは本当にがんばりました。 要領が悪いだけかもしれませんが、何回も徹夜作業をしました。 学校の勉強もそっちのけで飛行機製作に打ち込みました。本当にみんながんばりました。 だからこの1年間という限られた時間内での私たちがやってきたことに対しては何の悔いも残りません。 ただ……今感じることは1年間という時間はあまりにも短すぎるということです。

開会式 今大会ではヤマハ(チーム・エアロセプシー)が23kmという番組を終わらせかねない驚異的な記録を残しました。 もちろんこの記録はヤマハが1年で勝ち得たものではなく、10年越しにやっと勝ち得た記録です。 いいわけがましいことですが、この23kmという記録を破るには、 はっきり言って毎年代の交代がある学生チームでは1年や2年では難しいと思います。 この記録を私たち大阪府立大学・堺・風車の会が塗り替えるのは来年かもしれないし、 再来年かもしれないし、はたまた5年、10年後かは誰も知り得ませんが、 私たち大阪府立大学・堺・風車の会は生まれたばかりの赤ん坊も同然。 まだ5回しか鳥人間コンテストに参加していない初心者です。 私たちには誰も知ることのない未来があります。 ちなみにヤマハのメンバーは平均年齢35歳程度でしょうか…おじさんおばさん連中の集まりです。 彼らの持っているノウハウならびに経験は今の私たちにはかなわないものもいくつかありますが、 ただこれだけははっきり言うことができます。 私たちは、若い!! 。始まったばかりである私たちのチームを今後より良い方向へ導いていくためにも 今のうちに基礎となる土台をしっかり固めていき、来年、再来年、 挙げ句の果てには5年、10年後には他のチームを寄せ付けないほどの脅威となる強豪チームになるように全力を尽くし、 そういった面からも今後の私たちの団体のあり方など いろいろと考えていく必要があるのではなかろうかと痛感しました。

 とにかく、私たち大阪府立大学・堺・風車の会は負け犬になった訳ですが、 負け犬になったことでいろいろ学ぶべき事はあったし、考えることも分かりました。 今大切なことはいつまでも負け犬でいないこと、いつまでもくよくよしないこと。 今年ヤマハに持っていかれた優勝カップを絶対に取り戻します!!!。絶対に……

 98年度パイロット  佐野 秀之

テイクオフ 「3、2、1…」と言うかけ声とともに 僕はあの小さなプラットホームと呼ばれる台から琵琶湖の大空に飛び立ちました。 その直後、僕の視界には琵琶湖の空しかありませんでした。 方向や高さの基準となるような物はなにひとつありませんでした。 本当に「空」しかありませんでした。 それを見てそれまであった緊張・不安・プレッシャーから解放され、 純粋に空を飛んでいることに対して「うれしい」と感じていました。 そして4分30秒後に着水。 水の中から助けられてボートに乗り、琵琶湖の水面に浮かぶ機体を見て、 「これで僕らの夏は終わった」と感じたとき自然に涙が流れてきたのを覚えています。 実際、飛行距離1,495m、時間にして約4分半でしたが僕にとってはとても長い時間に感じました。

 振り返れば、僕の「大学生活」=「鳥コン」だと言っても過言ではありません。 小さい頃から鳥コンをTVで見て空を飛ぶことに憧れ、 そして入った大学にそのチームがあり参加できたことだけでも幸せだと思っていました。 しかもパイロットとして琵琶湖の空を飛ぶことができるなどとは入部した当初は夢にも思っていませんでした。 「人の力で空を飛ぶ」という人間誰しもが憧れる貴重な体験ができ、本当にうれしかったです。

 確かに結果に対しては「悔しい」と思います。 しかし僕はパイロットとしてやれることはやったので悔いはありません。 そして僕を琵琶湖の空へ送り出してくれたチームのメンバー全員に感謝します。

 この2年間半、「堺・風車の会」に参加して多くのことを学ぶことができました。 礼儀・作法にはじまり、人と人とのつながり・絆の大切さ、そして感謝の気持ち。 本当に有意義な時間を過ごせたと思います。 そして僕ら学生を温かく見守ってくださった社会人・協力者の方々、本当にありがとうございました。 今年の鳥コンは終わりましたが、 今回の経験をフルに活かして来年の鳥コンに望むべくメンバー一同最善を尽くします。 どうか今後とも御指導・御支援をよろしくお願いします。


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